クールな番犬くんは学園最強のオオカミでした
「とまーーー!おめでとー!よかったね!」
「りらは苫が幸せならなんでもいい!」
ハルルとりらが抱きついてきた。
……なんでハルルがいるの?
演者として袖に控えていたりらはわかるけど、ハルルは体育館のキャットウォークで照明の仕事をしてたはず。
片づけを放り投げて来ちゃったのかな?
なんかみんなの興奮を見ると、逆に冷静になれるというか……。
信じられないって思っていたのに、ハルルやりら、みんなの嬉しそうな反応を見たら、これは夢じゃないんだって思える。
だから──。
「これで彼氏として堂々と守れる」
わいわいとにぎやかな中、届いたその言葉も現実。
ドキドキと高鳴っていく、この胸の鼓動も現実で。
不意に目が合った斑が嬉しそうに笑みをこぼしているのも、きっとわたしの気のせいじゃないんだ。