クールな番犬くんは学園最強のオオカミでした
どうして?わたし、なにかしてしまったんだろうか?
初対面だけど、もしなにか気に触るようなことをしたなら謝る──
「だが、ルールだから仕方ない。総長の座は譲る」
……ん?
「佐紺、俺やっぱ納得いかねーよ!なんでそいつが総長なんだよッ」
「オレもだ!こんな女についていけるかよ」
……んん⁉︎
「……見てのとおりだ。ルールだから仕方ないが、ここにいるみんな、納得してない」
佐紺先輩は周りを見回したあと、わたしを見てそう言った。
見てのとおりと言われましても……。
勝手に話を進めないでほしい。
「あの、」
──コトン。
どういうことかと説明をもとめようとしたとき、佐紺先輩がわたしの足元になにかを放り投げた。
「それがおまえのプレートだ」
プレート……?
拾おうとして、手が止まる。
えっ……これ……。
「どういうことですか?」
「ブラックプレートの意味わかってんだろ。ルールに則って、今日からおまえが西組の総長だ」
……………はっ、いいいぃぃっ⁉︎