クールな番犬くんは学園最強のオオカミでした

──西ヶ浜さんはどの委員会がやりたいですか?……放送委員?それじゃあ、西ヶ浜さんは放送委員で決定でいいですね。


小学生のとき、委員会決めでわたしだけ優先されたことがあった。


先生がなぜかわたしにだけやりたい委員を聞いてきて、「放送委員」と答えたらそのまま決まりそうになった。

普通は、立候補して多かったらジャンケンなのに……。


──ずるーい。


先生は『特別な生徒だから』って軽い気持ちだったのかもしれない。

だけど、クラスメイトからしてみればそれは、えこひいきでしかない。


そのときはちゃんと「やっぱりなんでもいいです」と辞退を唱えられたからいいけど。


わたしはそうやって特別扱いされるのがイヤで、高校ではとなりの市の女子校に入学した。


総長の座も同じ。

わたしは今、特別扱いされて総長の座を譲り渡されようとしている。


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