クールな番犬くんは学園最強のオオカミでした
「組長の血を引くモンが入学したら、そいつが自動的に総長になる。そういう決まりがあるんだよ。おまえが転校してくるとわかった時点で、そのブラックプレートを作らせた」
「決まりって……校則かなにかですか?」
「いや。口頭で受け継がれただけの単なるルールだ」
「破ったって違反にはならないんですよね?じゃあ……」
このブラックプレートを返そうと思った。
だけど、返させてもらえなかった。
「ふんっ。断るつもりか?それも無理だ」
「どうしてですか?」
「西ヶ浜組のメンツの問題なんだよ。組長の顔に泥を塗るつもりか?」
「っ、」
黒刃高校は4人の理事からなる学校。うちのおじいちゃんを含めた各組の組長が理事を務めている。
そっか。この学校でも組長がゼッタイの世界なんだ。
好意でもひいきでもなんでもない。
わたしは地位や名誉のために特別扱いされている。