クールな番犬くんは学園最強のオオカミでした
「おまえは西組の総長になるしかない。だが、1つだけ方法がある」
「方法あるんですか?」
「簡単だ。やめればいい、学校を」
佐紺先輩は、眉ひとつ動かさずとんでもない提案を吐き捨てた。
全然簡単じゃないんですけど……。
「黒刃高校を出たらルールは関係ないからな。俺らは総長の座を奪いとるため、おまえを退学させるつもりだ」
佐紺先輩の言葉にゾクゾクと悪寒のようなものが走った。
それほど、本気なんだってわかる言い方だった。
でも……。
「学校はやめないです。ただでさえ、前の学校にいられなくて転校してきたのに……」
これ以上、おじいちゃんを心配させたくない。
「じゃあどうする?」
「……やります、総長」
残された道はもうそれしかなかった。
「総長になって……みなさんを認めさせます!」