クールな番犬くんは学園最強のオオカミでした
「ごめんね。こんなことになるなんて……」
帰り道、わたしから漏れるのは自責の念。
わたし1人だけなら仕方ないって開きなおれるけれど、やることなすことどうしたって斑を巻きこんでしまうわけで……。
「言っちゃったもんはしょうがないよね。許してね、てへっ」とはなれない。
わたしが決めたことに斑は反論しないし非難もしない。
だからって、その優しさに甘えたくはない。
そんなわたしの心苦しさも織りこみ済みなのか、斑は「謝んな」とだけ答えた。
「斑は、知ってたの?」
「なにが?」
「組長の血縁者は総長にならなきゃいけないって」
「あぁうん」
そっか。やっぱり知ってたんだ。
じゃないと、ただ黙って聞いてるなんてことしないよね。
どうして教えてくれなかったの?とは聞かない。
きっと斑なりに考えがあってのことだと思うから。それは全然いい。
「大丈夫かな……」
でも、不安だけは隠しきれない。