クールな番犬くんは学園最強のオオカミでした
「これからもっと斑に迷惑かけちゃうと思う」
「いいよ。そのために俺がいるんだし」
「面倒見きれなくて、イヤになっちゃうかも……」
「イヤになれるならとっくになってる」
「ふふっ。そうだったね」
これまでも迷惑をかけてきた。
それでも当然のようにそばにいてくれるんだから、これくらいじゃイヤにならないか。
むしろ、マイペースに好き勝手してるくらいだもんね。
……よし!覚悟を決めた。
「わたし頑張るよ。総長も遠足委員の仕事も、ぜんぶ頑張る。……だから、支えてくれる?」
わたし1人ではできない。
斑がいるからどんな壁も乗りこえられる。乗りこえたいと思えるんだ。
覚悟を宣言すると、斑がぽんぽんとわたしの頭をなでてきた。
その口元はゆるんでいる。
言葉にこそしないけれど、「あたりまえだろ」とでも言うかのように──。