クールな番犬くんは学園最強のオオカミでした
さて。わたしたちがどうしてここ──資料室に八巻くんも呼んで集まっているかというと、これから遠足会議を開くからだ。
わたしと斑では力不足。
どこから手をつけていいのやら。
そこで、りらとハルルに協力を仰いだら、快く了承してくれた。
さっそく今日の放課後から遠足の話をすることに。
ハルルが連れてきてくれたということは、八巻くんも協力してくれるらしい。
「あ、あたりまえです……!だって、僕のせいですから……」
協力してくれてありがとう、と言ったら、八巻くんが申しわけなさそうに答えた。
「ほんとだよねー。苫がかわいそー」
「ひっ……」
「りらの言うことはいちいち気にしないほうがいいよ。男嫌い拗らせてるだけだから」
りらが毒を吐けば、八巻くんが怯え、ハルルがすかさずフォローを入れる。
八巻くんからしてみればやりにくいメンツだろうけど……。
「八巻くん1人のせいじゃないよ。それにまだ失敗したわけじゃないから!」
「そうだよ八巻。ていうか、苫のためにも失敗させるわけにはいかないんだから。頼んだよ」
「は、はい。頑張ります」
わたしとハルルで鼓舞させれば、八巻くんは控えめながらもやる気を見せてくれた。
遠足委員の勝手がわからないわたしたちからしてみれば、八巻くんは必要不可欠な存在。
頼りにしてますっ!