クールな番犬くんは学園最強のオオカミでした

「まずは……あっ、正確な参加人数を教えてもらってもいいかな?」

「はい」


八巻くんはポケットからメモ用紙のようなものを取りだした。


広げたそれは、四つ折りになっていたA4のプリント用紙で、見出しには『各組の参加人数及び引率について』と印字してある。


そんなに文字の情報量が多くないから、八巻くんが、ここ、と指さす前に西組の参加人数を見つけられた。


……496人か。

具体的な数字を見せられると、その多さにめまいがしそう。


「1年生を含めた西組の人数です。西組は1年生が160人、2年生が159人、3年生が157人……生徒だけで476人です。これに」

「先生を含めて496人。……多いね」


八巻くんの言葉尻を奪ってハルルがつぶやいた。


学年単位で行っていた小学校や中学校の遠足とはわけが違う。


1学年4クラスだった中学において、学校をあげて遠足するようなもの。


これだけの大人数遠足の実行委員を1人に任せるほうがおかしいのでは?とさえ思う。

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