クールな番犬くんは学園最強のオオカミでした
「もうさ、去年と同じ場所でよくない?めっちゃ頼みこんでお願いすればなんとかなるでしょ」
まだオープニングなのに、面倒くさくなったのかりらが投げやりになった。
「それはできません。基本的に2年間は同じ場所に行くの禁止されてますから……」
「えぇなんで?」
「2、3年生が同じ場所に行くことになってしまいますから」
「じゃあ2年生と3年生は行かなきゃいい!」
極論すぎる……。
それじゃあわたしたちも行けなくなるよ。
「それだとなんの解決にもならないでしょーが。とりあえず、去年行ったいちご狩りは外して、一昨年の……ん?一昨年はどこ行ったの?」
ハルルからの問いかけに、りらも八巻くんも首をかしげた。
「いやいや八巻は知ってよーよ」
「ご、ごめんなさい……」
「斑はどこ行ったか覚えてる?」
わたしは、離れたところから会話を聞いてるだけの斑に答えをもとめた。
この中で唯一の3年生。
知ってる、はず……。
「知らない。参加してないし」
返ってきたのは、役に立たない答えだった。