死グナル/連作SFホラー
ランダム⑥
主婦:川上あいの場合
「…最初から気持ちは”そこ”に納まってたのよね。私の場合…。その気持ちに従って、日頃の体調管理にも気を配ったり…。これって、プラスに作用したってことになるでしょ?」
「…」
私はしきりに、フンフンと首を上下させていました。
***
「…まあ、私の性格もあるけど、たまたま、あのおぞましいモノを自分に入れちゃった時、妊娠していてんでそういったモードに持って行けたってことはあるわ。恵まれていたと思う…、私の場合は」
川上さんは、謙虚でバランス感覚もしっかりと備えている人なのでしょう…。
私は感心しきって、彼女の話に聞き入っていました。
「…当然、その後もアレは現れたけど、そりゃあそういう時は、私も気が変になるくらい怖かったし、とてつもなくイヤーな感覚にしばらく襲われるけどね。でもさ、”最初”が”ああ”だったせいで、今度も何かあるかもしれないから、気を引き締めようって…。条件反射みたいにそうなれて‥。ダンナも、何かのシグナルかもしれないから、俺も気をつけるよってね」
「川上さんの場合は、言ってみればポジティブに向き合えたんですね、あんな恐ろしい現象にも‥。凄いわ…」
私は気が付くと、ベンチの隣に座っている川上さんにの方に身を乗り出していました。
***
「ははは…、何も知らずにね、その時はだけど。それに私のケース、現象所持者のみんなよりもさ、アレが写る頻度ってけっこう少なかったみたいなの。それもあったかな。最初の時点で、”これ”を見ても、何か災いが起こる訳じゃないと頭に織り込めたので、まずは冷静に捉える下地ができていたってこともね…」
「川上さんって、客観的に自分を捉えることができる人なんですね…」
「そうかな…?とにかく…、やっぱりねえ、何年か経った後も継続してたんで、これ、結局は何なんだろうかというところにやっと至ったのよ。正確には、毎回出てくるあの男の人、誰だろうかって…。どうして私に、この人がっ疑問が出発点だったかしら。それが5年前で…、まずネットで検索してみたわ。でも、全くって感じだったかな。あの現象モロってのは…」
そこで、川上さんは、”それならこっちから発信して何か情報を得よう”と、そう思い立ったそうなんです。
何とポジティブかつアクティブな女性なんだろうと、私はここでも深く感服してしまいました。
主婦:川上あいの場合
「…最初から気持ちは”そこ”に納まってたのよね。私の場合…。その気持ちに従って、日頃の体調管理にも気を配ったり…。これって、プラスに作用したってことになるでしょ?」
「…」
私はしきりに、フンフンと首を上下させていました。
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「…まあ、私の性格もあるけど、たまたま、あのおぞましいモノを自分に入れちゃった時、妊娠していてんでそういったモードに持って行けたってことはあるわ。恵まれていたと思う…、私の場合は」
川上さんは、謙虚でバランス感覚もしっかりと備えている人なのでしょう…。
私は感心しきって、彼女の話に聞き入っていました。
「…当然、その後もアレは現れたけど、そりゃあそういう時は、私も気が変になるくらい怖かったし、とてつもなくイヤーな感覚にしばらく襲われるけどね。でもさ、”最初”が”ああ”だったせいで、今度も何かあるかもしれないから、気を引き締めようって…。条件反射みたいにそうなれて‥。ダンナも、何かのシグナルかもしれないから、俺も気をつけるよってね」
「川上さんの場合は、言ってみればポジティブに向き合えたんですね、あんな恐ろしい現象にも‥。凄いわ…」
私は気が付くと、ベンチの隣に座っている川上さんにの方に身を乗り出していました。
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「ははは…、何も知らずにね、その時はだけど。それに私のケース、現象所持者のみんなよりもさ、アレが写る頻度ってけっこう少なかったみたいなの。それもあったかな。最初の時点で、”これ”を見ても、何か災いが起こる訳じゃないと頭に織り込めたので、まずは冷静に捉える下地ができていたってこともね…」
「川上さんって、客観的に自分を捉えることができる人なんですね…」
「そうかな…?とにかく…、やっぱりねえ、何年か経った後も継続してたんで、これ、結局は何なんだろうかというところにやっと至ったのよ。正確には、毎回出てくるあの男の人、誰だろうかって…。どうして私に、この人がっ疑問が出発点だったかしら。それが5年前で…、まずネットで検索してみたわ。でも、全くって感じだったかな。あの現象モロってのは…」
そこで、川上さんは、”それならこっちから発信して何か情報を得よう”と、そう思い立ったそうなんです。
何とポジティブかつアクティブな女性なんだろうと、私はここでも深く感服してしまいました。