死グナル/連作SFホラー
連鎖⑤
ケータイショップ店員:清島眞琴の場合




「浅原さん、こんな経験して、ホントは気が狂いそうなくらい怖いんです。だから…、今のあなたの対応、ありがたいです」


「はは…、でも、あなたは凄いですよ。こんなに冷静でいられて。その点ではこっちも助かってます(笑)」


この後は彼に任せて、諸々の”解説”をしてもらうことにした。
さてと…、こうとなったんなら、わたしゃあ、一体どうすればいいの…?
まあ、端的にはここよね…。


***


「…最初にシビアなところは言っときますね」

シビア…!
いやあ、ちょっとブルってきた。
できれば面と向かって…、顔見て話してもらいたいよ、ここからは。
ああ、無論、この世の顔でね…。


「いいっすか?」


「お願いします。でも、おてやらかに‥」


「はい、了解‥」


私は大きく深呼吸して、浅原さんの言葉を待ったわ。


***


「僕のあの世の顔…、これからも”定期的”に拝むことになります。ここは申し訳ないが、承知しておいて。ああ、すまん…、おそらくこれから先ずっとになる。そう思ってください」


これはかなりの衝撃もんだって!
待ってよ、じゃあ…、一生ってこと?


「たぶん、そうなる」


ここでの彼は、突き放してきた。
あえてだろうけど…。


***


「そうですか…。私、死ぬまであんな怖い思い、何度も繰り返さなきゃならないんだ‥」


私は明らかにしょげていた。
ガクッときた。
やっぱ、ショックだったし‥。


「…追い打ちをかけるようだけど、一生続くのは今回みたいに僕のあの顔が写るだけじゃないと思う。これはかなりの確率で…」


「なんなんですか!まだ、これ以上の怖いことが起こるの?そんなの嫌よ…!」


ついにここで私は壊れた…。





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