二度目の好きをもらえますか?
 その日からこうして空き教室でお昼を食べるのが日課となり、私たちは徐々に打ち解けていった。

 今まではほとんど話した事がなかったのに、高山くんや瀬川くんとも気兼ねなく話せるようになった。高山くんは麻衣子と仲良くなりたいという目的があるから、私には特にフレンドリーだ。

 そして私と同じくおとなしめの美鈴や華ちゃんも、グループに入ってから明るくなったように感じた。二人とも楽しそうに笑ってくれるから良かったなぁと思う。

 とは言え、良い事ばかりというわけでもなく、問題はあった。

 ピロン、とラインの通知音が鳴り、賢ちゃんがスマホを取り出した。メッセージを確認する彼の隣りには、美鈴が座っている。

「どうしたの? 大谷くん」

「……いや」

 一瞬顔を曇らせた賢ちゃんを、美鈴が気に掛けている。その様子をちらちらと横目で見ながら私は始終、気を揉んでいた。

「あっ、ねぇ。わたしにも大谷くんのID教えて欲しいな」

 ……っな!

「……ああ。別にいいけど」

 なんですとーっ!?

 二人してスマホを出して連絡先を交換している。ありがとう、と喜ぶ美鈴を尻目に、私は箸をくわえたまま眉根を寄せた。
< 100 / 193 >

この作品をシェア

pagetop