二度目の好きをもらえますか?
 美鈴は賢ちゃん狙いだった。

 同じグループにライバルがいるなんて、最悪だ。と言うか、そもそも何であの人はこんなにモテるんだ?

 隣りのクラスの女子もそうだし、うちのクラスではカースト上位の女子三人も賢ちゃんラブだ。

 私が知らないだけで、美鈴以外にも隠れラブの子はいるかもしれない。

 そりゃまぁ、賢ちゃんは背も高いし、顔立ちもいいし、何となくイケボだし、優しいし。賢ちゃんの良いところを挙げたらキリがないから、モテるのは分かる。

 そして極め付けにはあの可愛い笑顔だ。大体の女子はあの笑顔にハートを持っていかれる。

 はぁ……、今日もカッコいっスね、大谷 賢二くん。

 ため息混じりに黙々とお弁当を片付けていると、麻衣子が耳元で囁いた。

「いいの? 彩月」

「……えっ」

「ウカウカしてたら持ってかれちゃうよ?」

「………」

 そ、そうだよね。やっぱり……。

 スマホを見つめたまま、どこか浮かない顔をする賢ちゃんを視界に入れて、私はまた物憂い吐息をつく。

 このままじゃいけないのは分かってる。

 ……告白。

 しないと駄目だよね、やっぱり。

 ***
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