二度目の好きをもらえますか?
9.知らぬ間にジ・エンドって事なの?
十月頭の日曜日に、体育祭が行われた。
二週間ほど前から練習が始まり、丁度その頃にいつメングループを作ったので、練習を通して私たち七人は急激に仲良くなった。
私たちのグループに、何故か時々畑野くんと牧くんが加わる事もあって、体育祭の後には打ち上げと称して九人でファミレスにも行った。
常に麻衣子と二人きりでいる事が普通だった私にとって、毎日が新鮮と驚きの連続だった。
女子だから、男子だから、という理由で会話すらできないでいたのが馬鹿みたいだ。
毎日が楽しくて、私は教室で笑う日が増えた。
「じゃあな〜、小谷お疲れ〜」
「うん、バイバーイ」
帰り支度をして教室を出た時、不意に誰かとぶつかった。
「……あ、わり」
顔を上げると他クラスの男子だった。
「ごめん、私もよそ見してて」
笑ってから会釈すると、彼は若干驚いた様子で脇に避けた。
「な、今の小泉、だっけ?」
ぶつかった男子がクラスの男子、青山くんと話しているのが聞こえる。
「ああ、小谷だよ。最近明るくなったんだよなー、アイツ」