二度目の好きをもらえますか?
 麻衣子に肩をポンとされて顔を上げる。登校してからそのまま席についていたので、「どうしたの?」と尋ねられる。

「アイパッドで何調べてるの?」

「ちょっと……。国語の勉強を」

 言いながらアイパッドの電源を落とした。

 これまでに賢ちゃんとの事は何でも麻衣子に相談してきたが、トンビに油揚げはまだ話せていない。

 知らぬ間に呆気なく散っていたかもしれないと思うと情けないし、未だに不確定なので口に出すのを躊躇ってしまう。

「へぇ、偉いねぇ。彩月。もう勉強してるんだ?」

 んん?

 一瞬、何の話だろうと思い、首を傾げた。

「もう中間まで十日切ったし。私もそろそろ取り掛からないとな〜」

 ……はっ! 中間テスト!

 そうだった。すっかり忘れてた。

 金曜の夜から月曜の今日に至るまで、頭の中は賢ちゃん、元カノ、復活、の三拍子だったので、来週の定期テストなんてすっかり忘れていた。

 数IIはともかく、β(ベーター)がヤバいんだった、今日の放課後にでも先生に質問しなければ、と慌てて悩みをすり替える。

「おはよー、何の話?」
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