二度目の好きをもらえますか?
「いやいやマジだって、ほら、山岸と」

「……え」

 美鈴と?

 拳を作ったまま振り返ると、ちょうど向こうの廊下から渡り廊下へ出てくる二人が見えた。

 うわっ!!

 先を歩く美鈴に賢ちゃんが続き、特別棟(こっち)へ近付いてくる。

 もしかして、これって……!?

「やヤバいっ、どこか、隠れるところ!」

「どこかってどこ?」

 何となく私がここにいるのを見られたくなくて慌てふためくけれど。

 私の焦りをよそに、二人は渡り廊下の中ほどで足を止めた。

「あ、あそこで話すみたいだね?」

 焦った自分が恥ずかしくて、へへっと笑う。

「これはアレだなぁ、告白タ〜イム」

「瀬川、その笑みやらしいよ」

 冷ややかな返しをさほど気にも留めず、瀬川くんは会話を盗み聞きしようと、ぎりぎりバレない距離まで近付いた。

「っえ、ちょっと」

 瀬川くんの行動に待ったを掛ける自分と、好奇心旺盛な自分が両天秤に乗せられる。後者が圧倒的な重さで傾いた。

「……好きです。付き合って下さい」

 語尾を震わせて美鈴が言った。
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