二度目の好きをもらえますか?
ネガティブな言い訳を並べ立てて、臆病な恋心を大事に大事に守っている。
現状維持が心地いいからと、ぬるま湯に浸かったままで袋小路に追いやっている。
それが私だ。
その時、ピロン、と通知音が聞こえた。賢ちゃんの方からだ。
彼はズボンのポケットに入れたスマホを確認し、ハァ、と大仰なため息を吐き出した。眉を潜めた横顔は、憂鬱を物語っていた。
暫時、空を仰ぎ、そのまま踵を返して戻って行く。
「賢二ってやっぱモテるよな〜」
瀬川くんがのんきに笑った。
*
来週に控えたテスト対策があったので、放課後は先生に質問してから帰宅した。
「ただいまー」
玄関で靴を揃えてからリビングを横切ろうとすると、「あ。さっちゃん、お帰り。ちょっと来て」とお母さんに呼ばれた。
「なに?」
いきなり何だろう?
私はお母さんに手招きされて、ソファーの手前で足を止める。
「昨日お父さんと話し合ってね、やっぱり門限があった方が良いと思うの」
「は、門限?」
「そうよ。明るい時間帯だったら安心だけど、最近は夜暗くなってから出て行く事もあるでしょう? 女の子の一人歩きは危ないってニュースでもやってたし、さっちゃんもいつそんな目に遭うか分からないもの」
「……え。それで?」
現状維持が心地いいからと、ぬるま湯に浸かったままで袋小路に追いやっている。
それが私だ。
その時、ピロン、と通知音が聞こえた。賢ちゃんの方からだ。
彼はズボンのポケットに入れたスマホを確認し、ハァ、と大仰なため息を吐き出した。眉を潜めた横顔は、憂鬱を物語っていた。
暫時、空を仰ぎ、そのまま踵を返して戻って行く。
「賢二ってやっぱモテるよな〜」
瀬川くんがのんきに笑った。
*
来週に控えたテスト対策があったので、放課後は先生に質問してから帰宅した。
「ただいまー」
玄関で靴を揃えてからリビングを横切ろうとすると、「あ。さっちゃん、お帰り。ちょっと来て」とお母さんに呼ばれた。
「なに?」
いきなり何だろう?
私はお母さんに手招きされて、ソファーの手前で足を止める。
「昨日お父さんと話し合ってね、やっぱり門限があった方が良いと思うの」
「は、門限?」
「そうよ。明るい時間帯だったら安心だけど、最近は夜暗くなってから出て行く事もあるでしょう? 女の子の一人歩きは危ないってニュースでもやってたし、さっちゃんもいつそんな目に遭うか分からないもの」
「……え。それで?」