二度目の好きをもらえますか?
「毎日、六時までにはちゃんと(うち)に帰って来なさい。それより遅くなる時は電話一本よこす事」

 ……ろっ、

「六時って、私小学生じゃないんだよ? 晩ご飯の時間までで良くない?」

「じゃあ六時半ね。真冬になったら暗くなる時間も早まるから、その時はまた言うわね?」

「……ん。わ、分かった」

 何でいきなり門限……?

 そう考えたところで、最近無茶し過ぎたしなぁと思い至り、項垂れる。

 階段を上がり、二階の自室へこもると制服のブレザーを脱いだ。

 おっと、ロールスクリーン。下さなきゃっ。

 朝に全開にしたままのロールスクリーンを下げて、部屋着に着替える。

 昼休みに盗み聞きしてしまった美鈴の告白で、私は考えを改めた。

 何も今すぐ告白しようという訳ではない。でも気になって仕方ない事は自分の口で直接聞くべきだ。

 賢ちゃんに、電話を掛けよう!

 前にそうした様に、バイクに乗せてもらう約束を取り付けて、二人きりの状況で落ち着いて質問する。

 あのカオリさんって人がどういう存在かを、それとなく聞き出すんだ!
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