二度目の好きをもらえますか?
 美鈴の勇気に後押しされて見つけた、ほんのひと握りの私の勇気。

 両手のひらを見下ろし、そこに満ちた空気をギュッと握りしめた。

「……よし」

 カオリさんがただの元カノだと言われた時は……私も美鈴みたいに告白する。

 友達関係がおかしくなるかもしれないけど、それがなんだ。好きって自覚した時から友達のままじゃ嫌だと思ったはずじゃないか。

 私は賢ちゃんと両思いになりたい。賢ちゃんの、“彼女”になりたい。

「よし!」

 自らに再び喝を入れて、勉強机の引き出しに手を伸ばした。

 上から二番目に忍ばせた、写真(宝物)を出して、それをジッと凝視する。私はスマホを掴んだ。

 賢ちゃんの連絡先を表示させてからベッドの上に正座して、また写真に目を移す。

 写真の中でコンビニのビニール袋を持つ彼を見てから、深呼吸を繰り返した。

「……いざっ!」

 090から始まる彼の番号をタップして、スマホを耳に当てる。

 トゥルルルル、と規則的なリズムで鳴る音を耳に流し込むと、徐々に心拍数も早くなる。出て欲しいような、欲しくないような、変な緊張感に包まれる。

『……はい』

 っあ!
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