二度目の好きをもらえますか?
「………え?」
無意識に笑みが固まった。
『彩月はもうバイクに乗せない。買ったヘルメットはちゃんと渡すから』
「………」
足から力が抜けてベッドの上に再び座り込んだ。頭の中でぐるぐると同じ問いが回り、口からこぼれた。
「なんで?」
『………』
もしかして。
一番考えたくない、嫌な想像が過った。
「彼女の……特等席だから?」
賢ちゃんはまた無言だった。
聞いても答えをくれない彼に、私は本来の目的を吐露する。
「あの……カオリさんって子と、ヨリを戻したの?」
ハァ、と心底面倒臭そうなため息が伝わった。
『とにかく、そういう事だから。じゃ』
プツ、と回線が切られ三度の不通音を残して待ち受け画面に戻る。
美味しそうなスイーツの画像が急に波打ち、歪んで見えた。水の中に沈んだスマホを手離し、私はその手で涙を拭った。
***
無意識に笑みが固まった。
『彩月はもうバイクに乗せない。買ったヘルメットはちゃんと渡すから』
「………」
足から力が抜けてベッドの上に再び座り込んだ。頭の中でぐるぐると同じ問いが回り、口からこぼれた。
「なんで?」
『………』
もしかして。
一番考えたくない、嫌な想像が過った。
「彼女の……特等席だから?」
賢ちゃんはまた無言だった。
聞いても答えをくれない彼に、私は本来の目的を吐露する。
「あの……カオリさんって子と、ヨリを戻したの?」
ハァ、と心底面倒臭そうなため息が伝わった。
『とにかく、そういう事だから。じゃ』
プツ、と回線が切られ三度の不通音を残して待ち受け画面に戻る。
美味しそうなスイーツの画像が急に波打ち、歪んで見えた。水の中に沈んだスマホを手離し、私はその手で涙を拭った。
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