二度目の好きをもらえますか?
12.キミの機微に触れて、もっといっぱい知りたいんだよ。
翌朝。いつもの時間に目覚ましを止めて、私は天井を見ながら暫く考えていた。
昨日、麻衣子と電話で話した内容をぼうっと思い返していた。
賢ちゃんが元カノとヨリを戻したのかどうかをはっきり言わなかったのは、何か他に言いたくない理由がある、という内容だ。
賢ちゃんとした電話をも思い返し、その理由にやっと気付けた。
バイクに乗せないと言われて、私は何でと聞き返した。賢ちゃんは黙り込んでいた。
あの時、私は自分の不安を口にした。
彼女の特等席だから?
カオリさんとヨリを戻したの? ……と。
あの質問に対して、付き合ってないと答えたら、私にじゃあどうしてと問い詰められる。
彼女の特等席じゃないんなら、何で乗せてくれないの、と。
そう考えて彼は口を閉ざしたのかもしれない。
私の親に乗せないで欲しいとお願いされたから……、そう口に出せない彼は、そのまま話を濁した。
実に賢ちゃんらしいと思った。子供の頃とは正反対で、不器用でぶっきらぼうな今の彼らしい、と。
制服に着替えてから階下へ降りると、「おはよう」とお母さんが優しく声を掛けてくれる。
「……うん」