二度目の好きをもらえますか？

　ゆうべあんな風に責めてしまったから、正直ちゃんと顔を見る事はできなかったけど。

　お父さんとお母さんの気持ちは理解できる。

　ただひとつ、賢ちゃんがバイクに乗っているから反対だと言ったお母さんの意見だけは、聞き入れられないけど……。

　私は洗面所に向かい、いつも通り洗顔する。

　……げっ。

　鏡に映る自分の顔を見て、大袈裟に顔をしかめた。目の周りが赤く腫れぼったい。

　ゆうべは布団の中でたくさん泣いて、そのまま泣き疲れて眠ってしまった。その痕跡がありありと残っている。

「……うそ、もう、最悪〜っ」

　瞼がパンパンに腫れたせいで、この上なく不細工だ。

　学校、行きたくない。

　洗面台の前でしゃがみ込んでいると、お母さんが近付いてきて、私の異変に気が付いた。

　お母さんは困ったように笑い、「可愛い顔が台無しね」と言った。

「効果があるといいんだけど」

　そう言ってキッチンに私を連れて行き、レンジで温めたホットタオルを私の瞼にそっと当ててくれる。それを五分ほど放置したら、次は水で冷やしたタオルを同じように当ててくれた。

　時間を掛けてケアすると、幾分かはマシになり、私はお母さんを見つめ直した。

「お母さん。昨日は……ごめんなさい」