二度目の好きをもらえますか?
 コンビニの袋を逆の手に持ち替え、私は弾む心で門扉を開けた。

 元カノに会いに行ってたわけじゃなかった……! そう分かっただけでも大きな収穫だ。

「ふふふっ」

 賢ちゃんと私の“距離”が近付いているという、確かな手応えを感じていた。それは未だに友達関係の枠を出ていないかもしれないけど、嫌われてはないはずだ。

 来週……。中間テストが終わったら、賢ちゃんに告白しよう!

 買ったアイスを冷凍庫に仕舞いながら、私は密かに決意を固めた。

 どんなタイミングで、どんなシチュエーションでといったアイディアは思い浮かばないが、自分の恋心にけじめをつけるつもりでいた。

 その週の月曜日。中間テスト前日になるのだが、私にとって忘れられない一日となる。

 けれどこの時の私はまだ知る由もない。

 ***
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