二度目の好きをもらえますか?
15.初めて聞いたキミの気持ち。
私は繋がれた右手から、賢ちゃんの横顔に目を留めた。
玄関に立つお母さんと向かい合い、彼は真剣な顔をして言った。
「彩月さんと……。結婚を前提にお付き合いしてもいいですか?」
……っは!?
「あらあら」
お母さんは目を丸くし、口元に手を当てた。
い、今、ケッコンって言った??
け……。けっこん。
血痕。
結魂。
結婚。
脳内で漢字変換をしている間、私は無言で固まっていた。
結婚……! やっぱりコレだ。
「結婚ってなにそれ、聞いてないっ!」
「べ、別にお前が嫌ならしねぇよ」
「嫌とかそういうんじゃなくてっ」
私たちのやり取りを見て、お母さんがクスッと笑う。
「そうやって賢二くんがうちに頭を下げに来るの、二度目だったかしら?」
「え?」
「確かあの時は。四年生の夏休みだったわよねー」
「………はい?」
懐かしそうに目を細めるお母さんと、どこか恥ずかしそうに肩をすくめる賢ちゃん。私は二人を交互に見ながら、首を捻った。
何だろう、話が見えない。
そんな私を見かねて、お母さんがサラッと助け舟を出した。