二度目の好きをもらえますか?
「今日は……急にお邪魔してしまって、すみません。こういうのは、早いうちに言っておいた方がいいかと思いまして」

 真摯な目をする賢ちゃんを真正面から見つめながら、お父さんとお母さんは、それが当然であるかのようにお箸を置いた。

 私も持っていたなめこ汁のお椀とお箸を机上に置く。

 こういうの……。こういうの、って、なんだろう?

 ま、まさか。“彩月さんを下さい”とか。そういう鉄板的なやつ??

 ひとりで妄想を膨らませ、カァと頬が熱くなる。頭がのぼせあがる。

「……おばさんには。この間会った時に言いましたが」

 そこで言葉を切り、賢ちゃんが膝に置いた手をグッと握りしめた。

「僕が今後、彩月さんをバイクに乗せる事はありません」

 ……うん?

「そうか」とお父さんが穏やかに頷いた。

 バイク??

 いまいち話が見えず、私は引き続き彼の話を聞く事にした。

「もともと、僕がバイクに乗るのは十八までって、親と約束してるんです」

 ……え。

「本当言うと、両親もバイクに乗るのは反対だったんです。それを押しきって、十八までって、条件付きで許してもらったんです」

「……なんで。十八?」
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