二度目の好きをもらえますか?
 私たちはお互いに頬を緩ませて、お箸を持ち上げた。両思いになった途端、親公認なのが妙にくすぐったかった。


 *

 翌日の火曜日。私は明け方から出した熱で、学校をお休みする事になった。

 思えば昨日は雨に打たれすぎた。もともと体が丈夫なほうではないので、風邪をひくのは当然の結果だ。

 中間テスト当日なのに……。情けない。

 言うまでもなく、昨日賢ちゃんに言われた、数学を教えてくれという頼みも聞けずじまいだ。

 ヴヴ、と枕元に置いたスマホが震えて、彼からのメッセージを受信する。

【軟弱者め】

「……もう」

 私はスマホを見ながらむくれた。

 先ほど送った、【熱出したから休む】という返事がこれだ。続けざまにスポ、と音がして、次のメッセージが吹き出しで浮かぶ。

【ゆっくり休めよ、帰り寄るから】

【差し入れアイスでいいか?】

 賢ちゃんらしい言葉が嬉しくて、私は赤ら顔でにんまりと笑った。

 ……彼氏、なんだよね?

 私の、彼氏。初カレ……。

 そう思うと照れがまさって、うひゃああ、と頭の中で騒がしくはしゃいだ。携帯がまたヴヴ、と震える。

【おーい、聞いてるか?】
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