二度目の好きをもらえますか?
 っあっと、返事返事っ!

【聞いてるよ。アイス嬉しい!】

 続けて【早く顔が見たい!】と大胆なメッセージまで送ってしまう。多分熱のせいだ。

 頭がふわふわとして、ぼうっとするのに幸せで。初めてできた彼氏の存在に、完全にのぼせあがっていた。

【早く風邪治せよ】

【テストが終わったら、どこか出かけようぜ】

 ……っえ!

【それってデート?】

 布団の中で丸まりながら返事を待っていると、【当たり前だろ(笑)】と返ってくる。

「ふぅわぁあああ〜っ!!」

 枕に置いたアイスノンに上気した顔を埋めながら、私は思わず叫んだ。そのまま足をバタバタさせていると、「さっちゃん? 大丈夫?」とお母さんがドア越しに尋ねてくる。「だ、大丈夫」と即答した。

 私はスマホを見つめ、可愛いパンダが“いぇぇーい”と言ってジャンプするスタンプを送った。

 ゆうべ。賢ちゃんが帰ってから、門限を過ぎた事や駅にいた理由をお母さんに説明した。

 お母さんは賢ちゃんの元カノの自殺未遂を聞き、途中、顔を曇らせていたけれど。

 揉め事が落ち着いたと知り、「そう」と大袈裟に安堵していた。
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