二度目の好きをもらえますか?
3.キミと同じ立場で考えたいんだよ。
「そう言えばさ、隣りのクラスの門倉さん。賢ちゃんの事好きらしいよ?」
病院の駐車場で車に乗り込む際、ふと思い出した事を彼に伝えた。
「……だからそういうの、いらねーって」
彼に想いを寄せてくれている女子の情報を、すげなく一蹴される。
私は先に乗り込んだ彼に並んで座り、肩をすくめた。「もったいない」と口を尖らせる。
門倉さん、美人なのに。
賢ちゃんのおばさんはニコニコしながら私たちの会話を聞き、運転席に乗り込んだ。
夏休みに入った翌日。
私は賢ちゃんの退院手続きを手伝うため、おばさんに付いて病院に来ていた。
五日の入院期間を終え、賢ちゃんは無事に退院できた。怪我が軽症で済んで、本当に良かったと思う。
「ねぇ、彩月ちゃん。良かったらうちでお昼食べて行って?」
「……え」
賢ちゃんちに着いて車から降り、玄関まで荷物の持ち運びを済ませた時。おばさんが何気なしにお昼を誘ってくれた。
「良いんですか?」
「勿論。おばさん、とっても助かったもの。さぁ、上がってちょうだい?」
気安く上がっても、いいのかな……。