二度目の好きをもらえますか?
 彼の反応が気になってチラ見すると、賢ちゃんは涼しい顔でサンダルを脱ぎ、廊下の奥の部屋へと入って行った。

「お、お邪魔します」

 おばさんに促されて賢ちゃんが向かった先のリビングに通される。

 ソファーに座り込んでスマホを弄る賢ちゃんが視界に入った。

 数日ぶりの我が家を満喫してるようだ。

 退院して早々に上がり込んでいるのが何となく申し訳なくて、部屋の隅に腰を下ろした。

「あらまぁ、彩月ちゃん。そんなとこに座ってないでお客さんはソファーに座ってちょうだい!」

「……あ、はい」

 おばさんの推しに負けて、ソファーに座ると真向かいの彼と目が合った。

 お邪魔してますという意味を込めて、笑みを浮かべるもののぎこちないそれになる。

 賢ちゃんはまたスマホに目を落とした。

 何だろう。いざ、家に上がると妙に緊張するな……。

 何日か前までは、「夏休み暇だったら遊びに行くよ」と提案していたくせに、やっぱり男子の家だと変に意識が働いてしまう。

「賢二〜、お昼オムライスで大丈夫〜?」

「おー」

「彩月ちゃんもそれで大丈夫? アレルギーとか無い?」
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