二度目の好きをもらえますか?
日に一回の告白は当たり前で、私の近所に住む男友達の家に上がり込んだ時なんかは、窓から愛の告白をしていたそうだ。
私の家に向かって「好きだーっ!」とか「愛してるよーっ!」とか臆面もなく叫んでいたらしい。
その時間、私は家に居なかったので家族からそう教えて貰った。
無論、そんな派手な行動をしていたのだから、けんちゃんが私を好きだというのは家族含め、ご近所さんにも筒抜けだった。
高二になった今、私は思う。
小学四年生の、たった数ヶ月の思い出に過ぎないが。
あの頃に私は全てのモテ運を使い果たしたんじゃないかって。
そして、そんな事をふと思い出したのは、今日イタ過ぎる失恋をしたからだ。
片思いの人に告白する間もなく彼女が出来ていた。そう、今日初めて知った事実だ。
その衝撃たるや荒波の如し。
私がモテる存在だったら、そこそこ自信もあっただろうし、告白ぐらい出来たよね?……って。
都合の良い解釈で自らを慰めた。