二度目の好きをもらえますか?
「え、って。自覚なし? 私はてっきり好きな人を心配して、苦労とかそういうのを分かち合いたくて、そんな馬鹿な事をやってるんだと思ったけど。違った?」

 ……うん?

 何か今、聞き捨てならない事言われた気がしたけど。

「べ、別にそういうんじゃないよ。左手が使えなくなって大谷くん、大変だろうなって思って。何かモヤモヤしたの。
 気の毒だなって同情してるみたいな自分が嫌で……だったら同じように生活してみようかなって思っただけだよ」

「……だから。それが恋なんじゃないの?」

「う〜ん?」

「普通大変だねって心配して同情しても、罪悪感とか自己嫌悪は感じないと思うけど?
大谷くんが好きだから、そういう気持ちを中途半端にしたくないんじゃないの?」

 麻衣子からの追求が続き、私は首を捻ったまま黙り込んだ。

「………分かんない」

「そうなの?」

「うん。だって結城くんの時と全然違うんだもん」

「そっか」

 それだけを答えると、麻衣子は立ち上がり、本棚から読み掛けの漫画を数冊引き抜いた。

「まぁ、そういうのもアリじゃないの〜?」

「え……?」

「ゆっくり育てる系の恋愛(やつ)
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