二度目の好きをもらえますか？

「なにやってんだよ」

「あ〜……、いやぁ。アレは……擬似体験的なアレで、ちょっと」

「俺が骨折してるから？」

　私は口を噤み、無言で頷いた。

　チラッと隣りを見上げると、困ったような呆れたような微妙な反応をしていた。

「……同情、した？」

「ち、違うよ！」

　ん、と眉を寄せ、賢ちゃんが小さく首を傾げた。

「同情とかそんなんじゃなくて……」

「……うん」

「あ〜、いや。最初は確かに、大変だろうなって同情したと思う……けど。
　賢ちゃんの苦労とか不便さとか、大変だねってひとことで終わらすのが嫌で。
　だったら、私も同じ立場で考えようって、そう思ったの」

「ふぅん」

「実際、やってみて大変だった。でも、賢ちゃんが言った、利き手じゃなくて良かったって意味はほんとによく分かったの」

「そっか」

　彼を不愉快にさせていないかどうか気にはなったけど、真顔のままで黙り込むので、いまいち何を考えているのか分からない。

「つーか、やっぱ彩月って変わってるわ」

「そうかな？」

　うん、と即答されて私は右に左に首を傾げる。

「ありがとな」

　不意に賢ちゃんがポツリと言った。

「え」