二度目の好きをもらえますか?
ふふん、と得意そうな笑みを浮かべて麻衣子がすり寄って来た。
四時間目の家庭科で、調理実習の後片付けを各班ごとに分かれてしていた時。
別の班の麻衣子が私にコソッと耳打ちした。
「大谷と良い事あった?」
「っひぇえ」
ビクンと肩が揺れ、蛇口から流れる水が斜めに跳ねて飛んだ。
「ちょっ、なっ」
何でと聞きたいのに、机を拭いていた他の班の賢ちゃんと目が合い、口を閉じた。
「だって彩月ってばぁ〜、洗い物しながら鼻歌うたってんだもーん! ねぇ、美鈴〜?」
麻衣子に同意を求められて、それまで私の隣りにいた美鈴がやんわりと笑う。
私がすすいだ食器を布巾で丁寧に拭き、華ちゃんに渡している。美鈴と華ちゃんは同じ班だ。
「そういう事じゃなくて」と麻衣子を咎めようとするが、彼女は面白がって笑い、また自分の班へと帰って行った。
そのあとの昼休み。案の定、麻衣子に詰め寄られた。
クラスの誰も彼もに聞かせる話でもないので、普段から人気の少ない特別棟へと引っ張られる。階段の踊り場で麻衣子が私に向き直る。
四時間目の家庭科で、調理実習の後片付けを各班ごとに分かれてしていた時。
別の班の麻衣子が私にコソッと耳打ちした。
「大谷と良い事あった?」
「っひぇえ」
ビクンと肩が揺れ、蛇口から流れる水が斜めに跳ねて飛んだ。
「ちょっ、なっ」
何でと聞きたいのに、机を拭いていた他の班の賢ちゃんと目が合い、口を閉じた。
「だって彩月ってばぁ〜、洗い物しながら鼻歌うたってんだもーん! ねぇ、美鈴〜?」
麻衣子に同意を求められて、それまで私の隣りにいた美鈴がやんわりと笑う。
私がすすいだ食器を布巾で丁寧に拭き、華ちゃんに渡している。美鈴と華ちゃんは同じ班だ。
「そういう事じゃなくて」と麻衣子を咎めようとするが、彼女は面白がって笑い、また自分の班へと帰って行った。
そのあとの昼休み。案の定、麻衣子に詰め寄られた。
クラスの誰も彼もに聞かせる話でもないので、普段から人気の少ない特別棟へと引っ張られる。階段の踊り場で麻衣子が私に向き直る。