二度目の好きをもらえますか?
 バシッと彼の腕をはたいた。

「悪い悪い、でも面白いっていちおう褒めてんだけど」

 ひどいと言われて腕をはたくものの、褒めていると言われてはたいた場所をヨシヨシする。

「相変わらず変なやつだよなぁ、彩月って」

「うーん。この間は変わってるって言われたけど、変って言われたら不愉快になる……何でだろう?」

「変人ぶりが増すからじゃね?」

「ちょっとー!」

 賢ちゃんは私がむくれるのを面白がっていた。眉を下げて無邪気に笑う彼を見ると怒るに怒れなくなる。

 ……全く。

 ふと賢ちゃんとのやり取りを客観的に捉えて、やっぱりそうだと思った。

 やっぱり男友達だ、と。

 私のこの感覚は間違ってない。これは恋なんかじゃない。

 ホームセンターに着いてから、自分好みのデザインが為されたヘルメットをひとつ選んだ。

 地の色がピンクで、落書きしたようなお花の絵が可愛く、一目惚れだ。

 見た目で選んだ私に対して、賢ちゃんは少し首を捻っていた。聞くと、安全性は落ちるらしい。

 詳しい事は分からないが、賢ちゃん曰く、ジェットヘルメットという種類のもので、賢ちゃんのものはフルフェイスだと言っていた。
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