二度目の好きをもらえますか?
「まぁ、俺が気をつけるから別にいいけど」

 私がそれ以外のヘルメットを見ようとしなかったので、彼とそのままレジへ向かった。

「4218円です」

 レジ打ちをする店員さんを見てから通学鞄を開ける。

「あ」

 そして気付いた。

 どうしよう、お財布忘れた。

 鞄を開けたきり固まる私の背後からにゅっと手が伸びて、お会計の皿に一枚のお札が載る。

「それでお願いします」

 慣れた手つきで会計をされて、賢ちゃんはお釣りとレシートを受け取った。

「ごめん、私。お財布忘れたこと、忘れてて」

「良いよ別に。彩月が持ってたところで普段かぶんないだろ?」

 ヘルメットを、か。……それもそうだけど。

 ホームセンターを後にし、賢ちゃんが持つ黄色いレジ袋を見つめた。

「だって賢ちゃん、そんなラブリーなのかぶんないじゃん」

「だな」

「明日ちゃんと返すからっ、絶対!」

 両手を握り拳にして意気込むと、彼は呆れて嘆息する。その顔を見て、まただと感じた。

 私は賢ちゃんに呆れられてばかりだ。

「じゃあ、割り勘な?」

「割り勘?」
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