二度目の好きをもらえますか?
 窓の向こうにいる賢ちゃんは、既に背中を向けている。

「消しゴム爆弾だよ」

『……は?』

「消しゴムだからフルスイングで投げても傷つかないし、頭良いでしょー?」

 得意げにさっきの行動を説明し、私は笑って誤魔化した。

 賢ちゃんは呆気に取られた様子で振り返り、ため息をついた。

『……で。話って何だよ?』

 取り急ぎ話したい事なんて、本当は何もない。

 何で避けるの? という本音はあるけれど、電話で話す内容じゃない。

 それに途中で回線を切られたら、次にコンタクトを取るのが困難になる。

 そう思案してから私の口は別の言葉を喋っていた。

「またバイクの後ろに乗せてよ?」

 ***

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