二度目の好きをもらえますか?
「でも何か……そういうキャラ変みたいなのって急にはできないよ。あのグループの子に馴れ馴れしく話しかけたら、ドン引きされてスルーされて終わり。スクールカーストで言ったら、私なんて下の下もいいとこだし」

「じゃあ奴らに話しかけなきゃいいじゃん」

「でもそれだったら……!」

 そう言ったところで賢ちゃんの人差し指が私を指差していた。

「彩月と俺で、男女のグループってやつを作ればいいんじゃねーの?」

 ……え。

「だって俺とは普通に喋れるんだろ?」

「そりゃあ、まぁ……」

 賢ちゃんは転校当初から“特別”だし。

「なら俺のツレとお前のツレで一個のグループを作れば、彩月の言うアイツらと一緒だろ?」

「……うん。確かに」

 それは……私にとってはプラスでしかない。

「彩月はほら、いつも黒岩と一緒にいるから誘ってみたらいんじゃね?」

 麻衣子か。麻衣子なら、うんって言ってくれそうだしな。

 そう考えたところで、でも、と不安になる。

 良いのかな。私のわがままでみんなを巻き込んでも。

 心配から眉を寄せ、私は彼を見上げた。

「でも。私と一緒にいたら……賢ちゃん冷やかされるよね?」

「だな」

「それが鬱陶しくて、私のこと……避けてたんでしょ?」

「……」

「だったら賢ちゃんにとっては何のメリットも」
< 83 / 193 >

この作品をシェア

pagetop