二度目の好きをもらえますか?
「俺もさ。このままじゃいけないなって日々思ってんだよ」

「え……?」

「俺が昔、彩月を好きだったのは事実だし。四年の時同じクラスだった畑野と牧もまた同じクラスだし。いい加減そこから逃げるわけにもいかないだろ」

「……っ」

 知らなかった。賢ちゃんが黒歴史を気にしているのは知っていたけど、それをどうにかしようと思ってたなんて。

「いんじゃねぇの? 互いの利害が一致するんなら、俺とお前でそれぞれの友達誘ってつるんでも」

 私は大真面目な顔をする彼を見つめて、暫し無言でいた。

 それは。私にとっては願ってもない事だ。男女関係なく大勢のグループで仲良くできて、尚且つ好きな人と教室でも話せる。

 私はコクン、と深く頷いた。

「そ、そうだねっ! じゃあ私、麻衣子に言ってみる」

「おう。それじゃあ俺は光輝(こうき)啓斗(けいと)だな」

「うん!」

 賢ちゃんが教室で一緒にいる瀬川くんと高山くんだ。

「ふふふっ、そうと決まったら次の登校日が楽しみだねー」

「ハァ……そうだな」

 言いながら賢ちゃんが大袈裟に嘆息する。心と体が裏腹すぎる。また冷やかされる事を思うと面倒臭い気持ちが先に立つのだろう。

「あははっ」
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