二度目の好きをもらえますか?
「そんなの時間の問題だって! 彩月がガッツ出して大谷の事押せば、きっとコロッと落ちちゃうよ!」

「………」

 落ちる……? あの賢ちゃんが??

 私は眉を八の字に寄せて、できるだけいい方向に妄想を試みる。

 ーー『俺も実は彩月のこと』

 ……いや、ナイナイ。無いな。

 否定の意が激しく勝ち、私はぶんぶんと頭を振った。

 どっちかと言うとコッチだと思う。

 ーー『彩月の事、昔は好きだったけど今はなんか違うんだよな。友達ってやつ?』

 うん。言いそう。この方が賢ちゃんらしくてしっくりくる。

 加えて『勘違いすんなよな』と想像上の賢ちゃんに拒絶されて、私はガクッと項垂れた。

「彩月〜? どした〜?」

 麻衣子が首を傾げて私の様子を窺った。「何でもない」と返事をする。

「で。賢ちゃんのグループと合併するって話だけど……」

 気を取り直して話を本題に戻すと、麻衣子は「合併するって」と吹き出したあと、けろりとした顔つきで「いいんじゃない?」と続けた。

「向こう、大谷の他には瀬川と高山でしょ? 別に生理的に受け付けないってわけじゃないし、私は彩月の恋を応援するよ!」

「麻衣子〜っ」
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