二度目の好きをもらえますか?
 教室と屋上以外なら、どこか人通りの少ない階段とか中庭とか……それぐらいしか無いかもなぁ。

「彩月」

 無言で考えを巡らせていると、ポンと肩に手を置かれた。

「あ、麻衣子。……と、美鈴と華ちゃん?」

 どうしたんだろう?

 何となく三人でいるのを珍しく思い、首を傾げる。

「あのね、美鈴と華ちゃんも私たちのグループに入りたいんだって」

「あっ、そーなんだ!」

「うん。女子が私と彩月だけじゃ寂しいでしょ?」

「うんうん、それ私も思ってた。勿論、大歓迎!」

 そう言って笑みを浮かべると、麻衣子の瞳が賢ちゃんに飛ぶ。

「て事で、大谷も良いよね?」

「……ああ、俺は別に」

「なーになに? 俺らも混ぜて?」

 賢ちゃんの後ろから高山くんと瀬川くんが現れる。麻衣子は今の流れを彼らにも説明する。

山岸(やまぎし)桂木(かつらぎ)ね。オッケオッケー!」

 高山くんがウェルカムと言わんばかりに二人を歓迎する。

 やっぱり、さん付けは麻衣子だけなんだね。

「で、さっき彩月と大谷、何か話してなかった?」

「っあ、そうそう。今日のお弁当の事なんだけどさ」
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