二度目の好きをもらえますか?
 私は麻衣子に先ほどの提案を振り、どこかいい場所ないかな、とアイディアを募る。

「あっ。それなら私いい場所知ってるよ?」

「……え」

 四時間目が終わり、私たちは麻衣子に連れられて大人数で廊下を歩く。階段を一つ上がって右に曲がってから、最奥の教室前で足を止めた。

「……あ、空き教室?」

「そー。放課後は部活か何かで使ってるみたいなんだけどね。それ以外はずっとがらんとしてるから」

 言いながら麻衣子が教室の前扉を開けて、不規則に並んだ机と椅子を見渡す。私たちも彼女に続き、中に入った。

「麻衣子、ナイス! いいじゃん、ここ。早速机と椅子ならべよー?」

 私は持っていたランチバッグを教卓の上に置き、後方に寄せられた机と椅子の群れへと走った。

 私の他には男子三人が積極的に机を動かし、向かい合わせに七人分をセットで並べている。

 誰がどこに座るかは早いもの勝ちとなり、私はちゃっかり賢ちゃんの斜向かいに座った。ちなみに彼の真向かいは瀬川くんだ。

 それぞれが用意したお昼ご飯を広げ、大人数での昼食となる。

「なんかこうやって机寄せ合って昼メシ食ってるとさ、小学生ン時の給食思い出さねぇ?」
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