二度目の好きをもらえますか?
「ああ、分かる! 確か班別で食べてたから六人ぐらいで机寄せ合ってたよなぁ」

 高山くんの話に瀬川くんが同意する。お箸と口を動かしながら私も無言でうんうんと頷いた。不意に「あっ」と声を上げ、隣りの瀬川くんが私を見る。

「小学生ン時と言えばさ? 賢二が小谷の事追いかけ回してたって聞いたけど、アレほんと?」

 いきなりの問いに食べていた玉子焼きが喉奥で引っかかり、若干むせた。チラリと斜向かいに視線を送ると、賢ちゃんは涼しい顔でお弁当を食べている。

「……うん、まぁ」

 別に今さら隠す事でもないので、サラッと肯定すると「どんなふうに?」とか「追いかけ回すって大袈裟に言ったんじゃなくて?」と矢継ぎばやに質問される。

「け、賢ちゃんに聞いて?」

「賢二ねー」

「その事に関しては詳しく教えてくんないからなー」

 あ。そうなんだ?

 わざとらしくため息を吐く瀬川くんと高山くんにやんわりと笑みを浮かべると、斜向かいからジロリと強い視線が飛んでくる。

 その目が余計な事は言うなと言っている気がして、私は肩をすくめる。

 おお、こわ。
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