if…運命の恋 番外編Ⅲ『愛に変わるとき』
「では、ここへは、どうして?」
『俺の妻と息子と一緒に来ました』
「・・そうなんですね。ごめんなさい。私ったら、勇さんがご結婚されて
いるなんて知らなくて、、それでお手紙をだしてしまいました」
『・・美子さんもご結婚されてますよね?』
「・・・はい」
『あの頃はお祝いの言葉も伝えられなくて、、結婚おめでとう』
俺は精一杯の笑顔を作って、美子にそう言うと
その言葉に、少しだけ笑みを浮かべた。
いや、笑っているように見えただけかもしれない。タワー内のライトは明るさをかなり抑えているし、俺と美子の距離は3メートルは離れている。
「勇さん、私ね、どうしても、どうしても、
貴方に私の気持ちをお伝えしたくて」
『・・美子さん・・』
「あのね、あの頃から私、貴方の事を、、」
美子の言葉を聞くには、すでに年月が経ちすぎていた。
それに、自惚れかもしれないけど、聞いてしまってどうにかするつもりもない。
『美子さん、聞いてください。俺は妻を愛しています。
今も、それからこれからも大切な女性です』
「勇さん、、」
『今日ね、きっとこの日に合わせて、妻が俺をここに連れて来たんですよ。
妻はいつも勝手に勘違いする奴なんですよ。 だから貴女からの手紙を読んで、俺がまだ貴女の事を思い続けているなんて、思ったんでしょうね』
「・・勇さん、私・・」
『貴女も、、美子さんも幸せになって下さいね。ずっと俺はそう願ってました』
「・・・・勇さん、ありがとう」
『美子さん、お元気で』