if…運命の恋 番外編Ⅲ『愛に変わるとき』

美子からの手紙を、俺は読んでいない。
きっと春子の目に触れて、そして俺を彼女に会わせようとしたんだろう。
だけど、もしかしたら本当に僕を手放そうとしたのか?! 

俺にとってはすでに終わった恋だったのに、ずっと引きずっていると思われていたんだな。美子が今になって、会ってまで俺に伝えなくちゃいけなかった事があったのなら、それは今ではない。
お互いが過去になったのだから。少なくとも、俺の隣は春子でいてほしいと思ったのだから。


だから、春子が俺から愛を感じていない事が問題のような気がした。
そもそも、俺がちゃんと表現していれば、こんな事もなかっただろうから。
何も伝えない事で、春子は随分 苦しんだのだろうか?

俺は、その頃から 春子にちゃんと愛情表現をするようにしたのだ。


俊がまだ寝ている朝、春子がひとりで朝食の準備をする。
俺さえ早めに食卓へ向かえば・・かなりの確立で
”ふたりっきり”になれる。

『春子、おはよう』

そう挨拶して、春子を後から抱きしめるようにした。
そんな俺に最初は慌てていた様子だったけど、、いつの頃からか
ちゃんとお礼をしてくれるようにまでなった。 俺の頬にチュッと軽いキス

その場面を何度か母親にみられた事があったかもしれない?!
でも母に言われたよなぁ。

「子供もいるのに、何してるの?! 勇さん、いつからそんな風になったの?!」

そしたら、春子が母に言ったんだよなぁ
「お義母さま、勇さんはずっと前からいつも私には優しいんですよ」って。




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