if…運命の恋 番外編Ⅲ『愛に変わるとき』
春子はとっても嬉しそうにしながら出かける準備を始めた。
もうずっと前に行った事があったレストランだったが、医学生時代は経済的にも厳しくて、貧乏学生の俺には入る事ができなかったところだ。
確か、この近くにあるのを思い出していた。今なら入る事を許して貰えそうだから、春子が寝ている間に予約をしておいた。
『春子? 緊張してる?』
「えッ・ええ 何だか場違いな感じがして、、ねぇ? 私、大丈夫かな?」
『クスッ そんなんじゃ美味しく食べれないよ。いつもの君でいいのに』
俺はそんな風に気にする春子が可愛すぎて、ついクスクスと笑いを我慢していると春子がムッとした顔になる。
『ごめんごめん、』
「笑わないでくださいよ、ねえ俊。お父さんったらイジワルよね?」
『・・・?』
春子にそう言われてキョトンとしている俊がにっこり笑顔を向ける。
レストランに入る前に 子供連れでも可能かを確認してみると、ひとりで椅子に腰掛けられて、食事中に歩かなければ良いと言われて安心した。俊は一人っ子にしては、本当に聞き分けの良い子で大丈夫だろうと思ったからだ。
でも、どう考えても、問題は俊じゃなくて彼女の、、春子の方だったようだ。
「でもね、こんな場所は慣れてないから・・」
『何だか、俊より君が泣きそうだね』
「まぁ、勇さんったらぁ~」
『し~~ッ小さい声で、、ねッ?!』
「わぁ、ごめんなさい」
『あっははッ』