強烈な旦那様♡おバカなカメ~その後のちょっとしたお話~
突然の…三人の生活
それは、突然だった━━━━━
「━━━━カメ。
蓮翔を、引き取りたい」
李範には、妹・李華がいる。
ずっと地方にいて、あまり会っていなかったのだが………
「━━━━━は?死ん…だ……」
生後三ヶ月の息子・蓮翔を残して、事故でなくなったのだ。
李範には、両親がいない。
更に妹は、シングルマザー。
施設に預けるくらいなら、兄である自分で育てたいと思い、夏菜に相談したのだ。
夏菜に、断る理由なんかない。
李範は、中途半端にこんな重要なことを言う人間ではない。
「━━━━━━もちろん!」
突然の、三人の生活が始まった━━━━━
沢山の育児の本やネット情報。
埋もれるような資料を読みながら、手探りで夏菜は母親として育てていた。
「りーくん」
「ん?」
「ミルク、この温度でいいかなぁー」
「…………んん?なんか、熱くね?」
「嘘~じゃあ、氷入れる?」
「それじゃ、薄まるだろ?
蓮翔、薄いの飲まなかったじゃん!」
「そうだった…」
「だから、こうやって哺乳瓶の外から冷やすんだよ!
読んだろ?雑誌」
「あ!そっか!」
「………飲んだぁー!
可愛い~!
りーくん。蓮翔、飲んでくれたよ!」
「フッ…良かったな!
じゃあ俺、仕事するから」
「うん!」
「まぁ、なんかあったら呼べや」
「うん!
━━━━━フフ…蓮翔、美味しい?」
李範は夏菜の様子を見て、ふわりと笑った。
夏菜は、本当に楽しそうに子育てをしている。
なかば勢いで引き取ったが、本当は心配で堪らなかった。
突然、親になる。
それは簡単ではない。
特に夏菜は、親になることを諦めていた。
夏菜の負担になるのでは?と。
しかし夏菜が言ったのだ。
「血が繋がってても、親子って大変でしょ?
李華ちゃんが亡くなって、りーくんが引き取りたいって言った。
私はその時、なんか意味があるように感じたの。
りーくん、あの言葉!
“ちゃんと受け止めて、人のせいにせず、幸せに生きる努力をする”
三人で“幸せになる努力”しよ?」
あぁ、本当に、カメには敵わない━━━━━
李範は、そう思うのだった。
「━━━━カメ。
蓮翔を、引き取りたい」
李範には、妹・李華がいる。
ずっと地方にいて、あまり会っていなかったのだが………
「━━━━━は?死ん…だ……」
生後三ヶ月の息子・蓮翔を残して、事故でなくなったのだ。
李範には、両親がいない。
更に妹は、シングルマザー。
施設に預けるくらいなら、兄である自分で育てたいと思い、夏菜に相談したのだ。
夏菜に、断る理由なんかない。
李範は、中途半端にこんな重要なことを言う人間ではない。
「━━━━━━もちろん!」
突然の、三人の生活が始まった━━━━━
沢山の育児の本やネット情報。
埋もれるような資料を読みながら、手探りで夏菜は母親として育てていた。
「りーくん」
「ん?」
「ミルク、この温度でいいかなぁー」
「…………んん?なんか、熱くね?」
「嘘~じゃあ、氷入れる?」
「それじゃ、薄まるだろ?
蓮翔、薄いの飲まなかったじゃん!」
「そうだった…」
「だから、こうやって哺乳瓶の外から冷やすんだよ!
読んだろ?雑誌」
「あ!そっか!」
「………飲んだぁー!
可愛い~!
りーくん。蓮翔、飲んでくれたよ!」
「フッ…良かったな!
じゃあ俺、仕事するから」
「うん!」
「まぁ、なんかあったら呼べや」
「うん!
━━━━━フフ…蓮翔、美味しい?」
李範は夏菜の様子を見て、ふわりと笑った。
夏菜は、本当に楽しそうに子育てをしている。
なかば勢いで引き取ったが、本当は心配で堪らなかった。
突然、親になる。
それは簡単ではない。
特に夏菜は、親になることを諦めていた。
夏菜の負担になるのでは?と。
しかし夏菜が言ったのだ。
「血が繋がってても、親子って大変でしょ?
李華ちゃんが亡くなって、りーくんが引き取りたいって言った。
私はその時、なんか意味があるように感じたの。
りーくん、あの言葉!
“ちゃんと受け止めて、人のせいにせず、幸せに生きる努力をする”
三人で“幸せになる努力”しよ?」
あぁ、本当に、カメには敵わない━━━━━
李範は、そう思うのだった。
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