ゲームセット

囚人たち

プー・・・


車のクラクションのような音が、園内に響いた。


ドクン、ドクン、ドクン


心臓の鼓動がついていけないほど速い。


外に聞こえやしないかと心配するほど、速くて大きい。


内心奈和の心は、恐怖でいっぱいだった。


奈和はまだ、中学生なのだ。ごくふつうの、女の子た。


それが、いきなり、殺しあいゲームに参加するなんて、彼女は夢にも思わなかっただろう。


でも、奈和はけして臆病な子ではない。


とにかく、もう後戻りはできないのだ。


だって、ゲームはもう、始まってしまったのだから・・。






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