ゲームセット
その少女は、囚人に殺される寸前だった。


わたしは反射的に、麻酔銃を奴の背中に向けていた。


パァンー!


見事に命中した。


少女は、おびえていた・・

わたしは少女に駆け寄った。


声をかけると、少女はくるり、と振り返った。


改めてその子を見る。


よく見ると、すごい可愛い子だと思った。


サラサラのショートカット。大きくてくりくりした目。


年は十四か十三くらいか。


わたしはその子に名前を聞いた。


桜葉ナオと言うらしい。
名前と容姿があってるな、と思った。


わたしは・・ナオがかわいそうに思えてきた。


まだ少女の部類に入る子が、こんな恐ろしいゲームに参加している。


わたしが守る。


ふいにそう思っていた。
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