君に、虹色の恋をした。
 家に帰るとすぐさま自室に駆け込んだ。

 そしてドアの前でへなへなと座り込む。

 今日たった一日の間に何があった?

 私でさえも理解出来ていなかった。

 朝から面倒くさいなぁ、だるいなぁ、死にたいなぁ、なんて思っていたはず。
 で、移動教室の帰りに飛颯くんとぶつかって知り合って、ごめんね。
 裏庭でお弁当食べようとしたら飛颯くんが来て、私の卵焼き一個食べられて、美味しいって言ってくれた。
 部活が終わるまで飛颯くんのことずーっと見てて、頑張って勇気出したら一緒に帰ってくれた。

 その最後の気持ちは嬉しくて、楽しくて、生きててよかったって思っていたはず。

 今でも鮮明に思い出せるくらいはっきりしていた。

 今日起こったことがたくさんありすぎて頭がクラクラ痛い。

 私はいつの間にかこんなに飛颯くんに執着してしまったんだ。今日の本当にちょっとした巡り合わせから大きくなっていって。

 部活中、飛颯くんに歓声をあげる女子達が醜くて仕方なかった。

 その理由が思いつかない。

 どうしてそんなこと思ってしまったのだろうか。

 きっと彼女達の方が私なんかよりも先に飛颯くんと知り合って好きになったはずなのに、私以外の誰かに取られたくないとか考えてしまっている。

 私ってこんなに心、黒かったっけ……。
 前はそんなことなかったのにな。

 飛颯くんのこと、心に入れすぎてる。

 友達、みたいな久しぶりの関係に嬉しくてそうなってるだけ、だったり。
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